2019年9月12日木曜日

第30回(2019年)トライアスロン珠洲大会のレポート

以下は、2019年の珠洲トライアスロンAタイプに初めて参加してみての主観的な感想です。
ちなみに私はこれまで、佐渡Aに3回、51.5で渡良瀬、手賀沼、酒田に1回ずつ参加しただけなのでレース経験は乏しいですが、何らかの参考になれば光栄です。

参加申し込み

↓が公式の募集要項その他です。
https://triathlon-suzu.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/suzu30th_ABR_youkou.pdf

例年4月上旬から受付を開始し、5月の連休明けに締め切るようです。
定員はAタイプ1000人、Bタイプ500人、リレータイプ30組でしたが、出場者名簿を見る限りAタイプは807人、Bタイプ469人、リレータイプ26組と、いずれも定員には達していないようです。
改めて後述しますが、参加費が安く、エイドやカーボパーティーのもてなしも豪華なのに、なぜ定員に達しないのかが不思議でなりません。

また参加資格に「過去数年以内の完走実績」や「JTUへの登録」は必要ないので、ショートレースを経ずにミドルレースに参加したい人や佐渡Aへの挑戦権を獲得したい人、JTUに上納金を納めたくない人(かくいう私もその一人)には非常に好都合です。
※申し込みフォーマットには過去の実績や短水路1,500mのベストタイムを記入する欄があったので、応募者多数で抽選になった場合には何らかの評価基準になるかもしれませんが…。

そして参加が認められた場合は、6月中旬に参加決定通知のハガキが届きます。
このハガキは大会前日の選手登録の際に必要なので、必ず保管し且つ持参してください。
(私はウッカリ捨てるところでした…)。

大会前日

受付は大会前日の9時から17時までです。
また数回ある競技説明会(2019年は12時、14時、15時、18時でした)への参加が必須なので、それまでの現地入りが必要です。

車検は(ロードバイクが専門ではないような)ボランティアがブレーキの効き具合を見る程度なので、バイクの整備は各自で責任をもってしっかり行ってください。

受付会場付近では、うどんとそばの振る舞いがあり、私は吝嗇なので4杯も御馳走になりました。
そしてそれに加えて16:00からは↓のような豪華なカーボパーティーがあり、選手は無料なので絶対お勧めです。

※補足:但しこれを目当てにしている人も多いみたいで、御馳走は速攻で無くなるのも覚悟して下さい(こう言っては何ですが、イナゴが飛び去った後のように綺麗に食べ尽くされていました(笑))。

大会当日(スタートまで)

5:30当日受付開始です。
事前に自宅に発送された「選手の皆さんへ」という説明書には、「前日と当日の二回の受付を済まさないと棄権とみなします」と太字であったので、くれぐれもご留意ください。
受付場所はバイクラックの手前ですが、バイクをラックに掛けた後に受付をしてください(私はバイクを持ったまましてしまい、後続の選手の顰蹙を買いました)。
佐渡と比較すると一人分のスペースが狭いのが気になりました。
荷物が多い人はスーパーの買い物カゴみたいなモノを用意すると良いでしょう(佐渡では農業用のコンテナが常備されますが、珠洲ではそんな余裕すらありません)。
突然の雨に備えてビニールシート等を掛けておくと良いでしょう(今年も通り雨がありました)。
自転車を掛ける方向は番号ステッカーのある方向がバイクの前面(つまり両隣とは自転車の向きが逆)になるように掛けてください(くどいですが、そうしないと隣のバイクとハンドルが干渉してしまう位の狭さです)。
バイクシューズをクリートに付けてのトランジションは禁止です(アレって手で外すのは結構苦労します。ましてやレース開始後にマーシャルに注意されると焦ってしまい余計に手こずるかも)。
※バイクシューズを履いたまま走っても滑らない配慮はされていたので問題はないです。

正式な入水チェックは6:30から6:45ですが、その前でもコース脇で試泳はできるので初参加の方や波のうねりが強い時などは時間に余裕をもって入念にチェックされた方が良いでしょう。

スイム

300人位ずつ5分毎のウェーブスタートです。
どのウェーブに組み入れられるかは不明ですが、申し込みフォームに短水路1500mの記録を書き込む欄があるので、バトルに巻き込まれたくない人は遅めのタイムにした方が良いかもしれません(逆にスイムが得意な人は下駄を履かせても…)
砂浜スタートです。
それほど遠浅ではないのでスイムの苦手な人には…です(笑)
潮流や波高は自然に左右されやすいようで、能登の海を満喫しながら泳げる時もあれば、2017年には潮流が激し過ぎてスイムで時間切れになった人が100人以上発生したり、今年も波が高くて40人以上が棄権したりしています。
過去には死亡事故も発生していますし、いずれにしてもオープンウォーターでの練習を十分に積み、無理だと思ったら潔く棄権する度胸も必要です(SKIP制度もあります)。

バイク

まず最初に私事で恐縮ですが、私は本番ではチューブラータイヤなのですが6年振りの本番のためか(言い訳)空気圧チェックをスッカリ忘れていました(CO2ボンベは携帯していたものの肝心なアダプターを忘れて…orz)
それでも、各エイドにはフロアポンプ位はあるだろうと思っていたところ、最初のエイドにはママチャリのみ対応、次のエイドには英米仏に対応なものの米式になっていて…。
まぁ今回は私の整備不足が悪いのですが、せめてフロアポンプ位は全エイドに設置して欲しいところです(現地スタッフやアンケートにも要望はしておきました)。

閑話休題

コースの難易度は噂以上で、特に最後の16%の坂は昔ながらの39x25tならバイクを降りて歩いた方がスマートかもしれません。
※私も一周目は意地で登り切りましたが、隣で歩いている人とそんなに変わりないことに気付き、二周目は潔く歩きました。

TTorロードバイクについては、TTがベター。
ロードしか持っていない方でも、ぽん付けDHバーは必須。
ホイールについては私は今回は前50後80のカーボン・チューブラーでしたが、特に問題はなかったです。
まぁオールラウンダーな前後50のカーボンチューブラーが無難な選択肢だと思います。
エイドは51.1kmで7箇所(Aタイプはそれを二周回)もあるので、飢えることは先ずありません(佐渡では念のためパワーバーを携帯しますが)。
ただ珠洲で一番残念に思ったのは、補給がボトルではなく、紙コップorやかんで行われるため、補給時にはどうしても一時停止しなければならないことです。
※ちなみに一度だけ一時停止せずに紙コップを手渡しで貰う作戦を試みましたが、元々180cc位しか入らないコップを受取る時点で水量は半分位に減り、それをボトルに移し替えている間にエイドは終わってしまい…な結果となりました。なのでタイムを狙う人も敢えてエイドでは一旦停止し、やかんで一気に補給して貰ったほうが良いと思います。
あとコーラがエイドになかったのは個人的には非常に興醒めです(バナナ、スイカ、梅干し、パン、おにぎりなど、食物の品揃えは佐渡より充実していると感じました)。

あと私が非常に気になったのは(今回は最後方で走行したせいかもしれませんが)キープレフト走行をしていない選手が目立ち、そのせいなのか一般車両が選手たちを追い越せず、数珠つなぎになって渋滞する光景を数回見ました。
この辺は、参加者に競技説明会などでマナー喚起してほしいところです。

大谷峠越え後の下りの一時停止は仕方ない(過去にトラブルがあったのかな?)にしても、それならば新道の方をバイクコースにしてくれても良い気がします(あの勾配を堪能して欲しいというのがコースディレクターの狙いでしょうが…)。

また追い越し禁止区間が二箇所ありますが、私から見ると自主規制の範囲内(危険は自分で察知しろ的)な気がします(まぁそれだけ無謀な運転をする人が多いのしょうか)。
いずれにしても残念な状況です。

ラン

バイクと一変して、全く変哲のない平坦なコースです。
エイドも23.3kmで14箇所もあるので、腹が減ったり、脱水症状になることはありません。
ランのエイドも品揃えは佐渡より豪華と感じました。
スイカ(緑の部分も切り取られた)食べ放題は最高です。
それでもやはりコーラがないのが玉に瑕です。

ただバイクとラン共に気になったのは、ゴミ箱の位置がエイドから近過ぎる点です。
その結果、コップの水を飲み干す前にゴミ箱があって空になったコップを次のエイドまでケツポケに入れて走る羽目になりました。
来年以降の改善を希望します。

またコースはずっと街中を走るのですが、佐渡に比べると沿道の応援はチト寂しい気がしました。(しかし後で調べると珠洲市の人口は約13,000人とのことで、その辺は仕方ないでしょう。むしろその規模の自治体がこれだけのイベントを30回も催していることに敬服しました。)
フィニッシュ会場の演出もそれなりでしたが、やはりミドルの宿命なのか、佐渡Aと比べると達成感はあまり感じられません。

ただフィニッシュ後の振る舞いもこれまた充実していて、水やスポドリはもちろん、スイカやバナナ、豚汁やおにぎりまで食べられて、その日の夕食も不要なくらいです。
※豚汁には限りがあり、制限時間ギリギリの人は食べられなかったかもしれません。

勝手に総括

全体としては非常に素晴らしい大会です。
大会は30回を重ねているので運営もしっかりしていて、初参加の人間でも判断に迷うようなこともありませんでした(エイドに仏式のフロアポンプがなかったのには驚きましたが…)。
Aタイプでも参加費が¥23,500(おまけにJTUへの上納金は不要)という、何処かの51.5大会と同じくらい(それ以下?)のコスパです。
にもかかわらず、エイドの数も多く、その品揃えも十分過ぎるレベルです(くどいですが、コーラがないのが玉に瑕)。
大会前のカーボパーティーと大会後の表彰式の振る舞いにも参加すれば、こう言っては何ですが珠洲市内で金を払って食事をする必要はありません(市民の皆様には本当に申し訳ないと思う位のおもてなしです)。
地図で見ると能登半島の先端ということで「ちょっと遠いなぁ」と思われるかもしれませんが、佐渡や五島とは異なり、陸路で移動できるアドバンテージは計り知れません(知人と運転を交代でき、ガス代も割り勘できる環境なら尚更です)。
そして、コースの難易度と、それを完走した証としての達成度としては、珠洲Aは佐渡A(佐渡Bではないょ!)よりちょっとだけ楽なランクとみなしています。
※ましてや私はロング志向の人間なので、どちらが楽か?と訊かれたら間違いなく佐渡Aと答えます(理由は珠洲の方が心拍数を上げなくちゃならないから)。

つまり、エイドの充実度などの軟派な面から見ても、或いはコースの難易度などの硬派な面から見ても珠洲Aは国内では比類なき素晴らしい大会だと思います。
そして最後に忌憚のない意見を言わせて貰えば、バイクコースを三周回(あるいは大谷峠をカットする代わりに距離を180km)にして、スイムとランをアイアンマン級に延ばせば、日本屈指の大会になると思います(少なくても私は、スノッブ臭漂うアイアンマンとは一線を画します)。


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